【超貴重】1987年、パチマガ創刊号に掲載された田山幸憲プロのインタビュー②【掲載】

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「本来パチプロは一匹狼。仲良くなる知り合いも2、3人が限度だね」

現在"パチプロ"と呼ばれる人は全国で約5万人という。ただし最近はなって数ヵ月程度の"セミプロ"も多い。「いいときで月に100万円。悪ければ10万円。それを平均して借金せずに何年か生活できて、はじめて"プロ"といえる」という田山氏の考えに従えば、本当のプロの数はもっと少なくなる。

 

「たとえば土方やっている人にパチプロ志望が多い。きつい穴堀りなんかやっているより、パチンコのほうが楽に稼げると考えるからだろうけど、平均すればパチンコでなんかそんなに稼げない。稼げちゃマズイんだ、こんな商売(笑)」

 

田山氏の哲学は好きなことやって食えるだけでいい、稼ごうなんて気はサラサラない、というもの。
しかし金銭目当てのパチプロも少なくない。とくに最近増加しているのが"開店荒らし"。東京都をはじめとする首都圏内だけに限っても、ほとんど毎日のようにどこかで"新装開店"がある。開店時はサービスで玉をよく出す。それを狙った集団で、50人位の大きなグループも存在する。グループ内では情報交換や場所取りの約束がかわされる他、会費をとってグループ同士のいざこざから身を守ってやるという組織化したものまである。さらにグループ同士のケンカを防ぐために"暗黙の縄張り"のようなものまでーー。

 

「お金を貯めたい、もうけたいというなら、僕もそうする(笑)。だけどパチンコをする一番の理由と言うのが"好きだから"。好きなことがやれて、その上生活を維持できる範囲の収入があればそれにこしたことはない(笑)。それで満足なんだ。それ以上のことを考えるといろいろ面倒なことも出てきてイヤだね」

 

こう言いながらニヤッとする田山氏の顔は誰もが好きなことだけに熱中していられた少年の頃と少しも変わっていないのかもしれない。イカサマみたいな不正行為を見つけても、不正に腹が立つだけで「もうけやがって…」などとは思わないという。他人がどうしようとあまり意に介さない。自分は自分。我が道を行くというライフスタイルが浸みついている。

 

「本来パチプロは一匹狼。仲良くなる知り合いも2、3人が限度だね。僕の場合はプロ仲間っていうより、顔馴染みの友人だけ、飲み仲間といったほうが当たっている(笑)。つるんでやってるなんて好きじゃない。こんなものみんなで仲良くなんてできないよ」

1987年当時の田山プロ。写真は池袋S店こと「山楽会館」の店内と思われます。山楽会館閉店後は、大手チェーンのガイアとなりましたが、それも閉店。現在はカラオケ店になっています。。。
1987年当時の田山プロ。写真は池袋S店こと「山楽会館」の店内と思われます。山楽会館閉店後は、大手チェーンのガイアとなりましたが、それも閉店。現在はカラオケ店になっています。。。

不正行為で最近多いのが"玉泥棒"だ。トイレや昼食のとき、席を立ったところを狙う。そしてそしらぬ顔で玉を交換、両替してしまうのだ。店員が気づいても「頼まれたから」といわれればそれまでのこと。あっけないほど簡単に玉は持ち出される。

 

「好きなことに熱中しているせいもあるけど、昼メシなんて食わない。トイレなど、どうしてもというときは、ヤバソーな奴がいないか、まわりを確認してからだね。隣の人に頼むという手もあるけど、そういう不正行為に走る手合いに、関係ない人をあまり巻き込むのもどうかと思うし、とにかくできるだけ席を立たない。トイレだ、食事だなんていっているうちはプロじゃないね」

 

"真のパチプロ"ならマナーやルールも自然と守り、トラブルを避ける。店に通ううちに人間関係もそれなりにできるし、その店のルールを無視しては、パチンコを楽しみ、まして稼ぐことなどできなくなるからだ。

"ジグマ"の田山氏が店を変えるときは「打ち止めにしたらその台、オレにやらせろ」とスゴム輩が目につきだしたとき。無用のトラブルは避けるというのが彼の考えだ。いちいちケンカしてたんじゃ、長いことパチプロなんて続けていけなくなる。自由で気ままな稼業でも時にはイヤなこともあるというわけである。

 

「確かに他の職業に比べれば、パチプロというと気楽そうに見えるだろうね。日の時間の流れも人間関係も、ある程度は自分で決められる。束縛されないっていうのが最大の魅力ではあるけれど…」

続く。

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