(前編からの続き)

▶前編の模様はコチラ！ 現役メーカー社員が語るスマスロ開発の裏側

編集(以下・―)スマスロといえばユニット不足がいまだ話題になってますが、今後は改善されていくんでしょうか？

開発者Aさん(以下・Ａ)「たしか、現状だと月あたり2～3万台くらいのペースで増える予定だったと思います」

―ではそれで足りる感じになるんでしょうか？

A「それは新機種の状況にもよりますが、ヒット機種が出て大量増産になったら足りないよねって話にはなってます」

―なるほど。ではまだまだ十分な数とは言えないようですね。

A「とは言え、スマスロは初期台数で7万台。そこから3月まで毎月3万ずつ増えるとすれば、合計20万台近くまでは増えるのかなと。そして4月以降はスマパチの方に流れていくと思われます。スマパチ導入時も、ある程度まとまった台数で出したいでしょうから」

―ではスマスロが増えるのは3月までって事ですね。ただ機種のラインナップがまだ少ないような…。今名前が出ているスマスロは、北斗の他に数機種しかないですよね。

A「いやあ、2022年の4月末からどこのメーカーもけっこうスマスロを持ち込んでるんですけど、これがなかなか適合しないんですよ…」

―そうなんですね。でもそれはやはりスペック的に攻めているからという事ですか？

A「はい。そこを攻めないとメダルありの6.5号機と変わらないスペックになるけどいいの？　って話になっちゃいますから(笑)」

―先ほどスマパチの話が出たので伺いたいのですが、そちらの進捗はどうなんでしょうか？　何かスマスロ導入前の期待感というか。盛り上がりがあまり感じられないなあと思いまして。

A「スマスロは有利区間無限という大きな変化がありましたからね。ですが、スマパチにもプラスアルファがありますよ。それによってゲーム性の幅は確実に広がる予定です」

―ほう！　それは何ですか？

A「詳細はまだ言えませんが、スマパチでのみ許されている内規の機能になります」

―出た！　内規(笑)。それは春に登場する台に組み込まれていると考えていいんでしょうか？

A「はい。その認識で大丈夫だと思います」

―待ち遠しいですね。機能の詳細はいつ頃発表されるんでしょうか？

A「新機種が出るタイミングで一緒に発表されるのかなあ。なのでスマパチに関してはこれからの情報に期待してもらっていいと思います」

―承知しました。そこは続報を待ちたいと思います。

A「あと、現時点で言える事は筐体の変化ですね。今までの枠とは大きく異なることになりますので。パチスロの場合、リールとボタンの部分はどうしても変えづらいと思いますが、スマパチは上皿も下皿もいらなくなってハンドルだけあればいいんで」

―上皿と下皿がなくなった部分はどうするんですか？

A「液晶のサイズが変わったり、液晶の数が変わったり、何かギミックがついたり。スマスロの時は『下皿がなくなったね』くらいの感覚だったと思いますが、スマパチは機種によってはすごい変わったなというのを実感してもらえるんじゃないかな」

―なるほど。スマスロは見た目の変化がそれほどでもなかったので、正直あまり気にしてなかったですが、そこも注目ポイントのひとつになりそうですね！

A「パチスロに比べて、筐体の見栄えが重要視されやすいですから。各メーカー腕の見せ所になると思いますよ」

―そろそろお時間が迫ってきましたが、最後に『2023年はこうなる！』みたいな予想というか展望はありますか？

Ａ「大きな流れとしては、パチスロのメダルありはノーマルタイプだけが残っていって、普通のAT機はスマスロに移行していくだろうなというところです」

―やはりスマスロの方が開発はしやすいんですか？

A「いえ、あんまり変わらないですよ。もともとスマスロに変えていこうという業界自体の方向性もありますから。ただ先ほども触れましたけど『4000Gが迫ってるからどこかで有利区間切らなきゃ！』っていう悩みはなくなったので(笑)、スマスロの方が開発しやすいと言えばそうなのかな」

―ちなみに6.6号機や6.7号機といった話はすでに出ていたりするんですか？

A「いえ。そういった話は今のところ全く聞かないですね。ただ、常に陳情とかはやっているんですよ。特に今はノーマルタイプが元気ないので、そこをなんとかしたいというのはありますね」

―確かにノーマルタイプは不遇の時代ですもんね…。

A「今すぐ何か変わるというのは言えないんですけど、少しずつでも良い方向にしようと業界の人間が動いているのは確かですので、そこは期待して待っていてほしいですね」

―承知しました。本日はありがとうございました！

■規定の出玉性能を超えるとペナルティがある
■『有利区間が切れたらアツい』はスマスロの定番に
■4月以降はスマパチのシマが大幅に増えるかも？
■スマパチだけの新たなゲーム性が実装される

インタビューではスマスロ・スマパチ開発の裏側や2023年の未来予想など、非常に興味深い話を聞くことができた。

当面は春に登場するとウワサされているスマパチがどんなゲーム性になるのかを注視しつつ、スマスロ新機種のさらなる盛り上がりにも期待したいところ。

2022年がそうだったように、我々プレイヤーの期待をはるかに上回る魅力的な遊技機が登場してくれるに違いない。