【第24回】変わりゆく「トータル確率」
※『パチンコ正攻法』過去の連載まとめはコチラから。
トータル確率という用語は、パチマガの基本データ欄に載せているのでご存じの方も多いと思う。
たとえば大当り確率1/300、初当りごとの平均連チャン数が3.0回という機種があったとする。
この場合、大当り1回を得るために必要な通常時回転数は300÷3.0=100回となる。つまり大当り1回分の出玉で100回転以上まわせれば玉が増える(=等価ボーダーを超えている)計算になる。
つまりトータル確率という概念は元々「大当り1回分の出玉で何回まわせればよいか」を計るための指標として考案されたものだ。
余談だが、トータル確率という概念は25年以上前にはすでにあり、私が考案したというわけではないのだが、勝負計算のための重要な要素として全誌面的に掲載するよう推進したのは私であり、パチマガが最初である。
さてこのトータル確率。たとえばエヴァ咆哮の場合、パチマガサイトの基本データ表を見るとトータル確率は1/27.94(3Rで計算)と書かれている。これは3R分の出玉で28回転以上まわれば良いことを意味する。
エヴァ咆哮の場合は大当り1回の出玉数が3R(約420個)と10R(約1400個)の2種類があるので、両者を総合したトータル確率は1/77.7となる。これを3Rに換算したものが上記のように1/27.94となるのだ。我々はこれを「換算トータル確率」と呼んでいる。
しかしここでは10R出玉で何回まわればよいかは書かれていない(ちなみに10R換算のトータル確率は1/96.4)。
初回は3Rが圧倒的に多いので、初回出玉でボーダーを判別するのに3Rのトータル確率が便利だろうとの考えからこうしているわけだが、実際にはわずか3Rの出玉では回転ムラの影響を受けやすく、そもそも420個という出玉数も実際には多少前後するので、どうしても正確性に欠けてしまう。
10Rの場合も同様で、多くが2連チャンめ以降となるため10R分ちょうどの出玉量を正しく計測するのは難しい。しかも、出玉数はホールや台によって多少異なるため、10Rで本当に1400個あるのかどうかを正しく見極めるのは難しい。
トータル確率という指標の登場当初は、全大当りが同じラウンド数の機種が多く、ラウンド振り分けタイプは少数派だった。よって、トータル確率を10Rや3Rなどに換算する必要性もなかった。
そもそも、出玉数が多少削られていようが多めだろうが関係なく、大当り1回分の出玉で○回以上まわればいいというのがトータル確率の強みだった。
しかし現在ではラウンド振り分けタイプが主流なので、トータル確率の意義も変化してきている。個人的見解だが、それぞれのラウンドに換算するのはもはやナンセンスだとさえ思う。
ならば最初から「玉1000円分相当のトータル確率」を用いたほうがいい。つまり等価ボーダーと同じことを意味する。貸玉1000円で250個のホールなら「250個あたりのトータル確率」を使用すれば良いではないか。
これなら、たとえばドル箱1杯で1750個入るホールなら1箱で1750÷250=7、つまり等価ボーダーの7倍以上まわれば良いことになる。
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